川崎市民とブレイブサンダース(アドベントカレンダー2017に寄せて)
アジアの方々の喧騒とピンサロの看板が懐かしい豊島区大塚から、川崎市某所に引っ越してきたのが5年前。今や「大塚に住んでいたのってもしや夢…?」と思うくらい遠くになりにけり、ドヤ顔で川崎の人間を自称しています。
ブレイブサンダースのファンの皆さんは、なんとなく川崎ではない場所にお住まいの方が多い印象があります(実際どうなんでしょうね)。とどろきアリーナまでチャリで●●分の川崎市民が感じる、ブレイブサンダースと川崎市の関わりをつづってみようと思います。ツイッターでつぶやいたことの二番煎じも多いですが、ご容赦ください。
※この投稿は、川崎ブレイブサンダースファン有志のみなさんが企画した「アドベントカレンダー」のために書きました。クリスマスまで毎日ファンのみなさんが日替わりで記事を更新するんだそうです。わくわく!
その1:ママ友
ブレイブサンダースの選手たちが綱引きと玉入れをすると聞いたので、武蔵小杉駅まで「コスギんピック」を見に行きました。ブレイブサンダースの面々が綱引きをするところを楽しく見ていたら、母親学級で仲良くなったママ友に声を掛けられ、びっくりしました。
※コスギんピックについてはこちらをご参照ください。さりげなく選手たちがたくさん写ってますね(笑)。
なぜこんなものを見ているのかと聞くと、なんと旦那さんが対戦相手として参加していたんです。完膚なきまでに負けてましたが(笑)。
後日一緒にお昼を食べた時に、「ホームゲームの市民招待に応募してみようかな~」と話していたママ友。これは間違いなくコスギんピック効果でしょう。興奮しました。
その2:美容師さん
去年からお世話になっている美容室のスタイリストさんは、高校時代にインターハイに出たことがあるくらいバスケガチ勢。しかもとどろきアリーナの最寄り駅の武蔵中原の住民。しかしブレイブサンダースの存在をまったく知らなかったそうで(レッドウェーブのことは知っていた)、わりとショックを受けました。
武蔵中原は富士通の街で、駅ビルではフロンターレとレッドウェーブを熱心に押し出しています。なんとかブレイブサンダースもそこに食い込んで、歩いてとどろきに来られる貴重なファンを増やしてほしいなと切実に感じました。
その3:高校バスケ部員
川崎市には、法政大学第二高校と桐光学園高校というバスケが大変に強い高校があります。昨年のインターハイは両チームが県代表になったくらい強いです。法政二高のバスケ部員はよくホームゲームでフロアワイパーをやっているので、現地で観戦される方はそれとなくよくご存知だと思います。
Bリーグの開幕に伴い、彼らも1番乗りで入場列に並んだり、2回席の最前列で踊ったり変顔をしたり、大変に盛り上がっておりました。川崎市民はもちろんのこと(あまり多くないのですが)、横浜市民だけどビーコルでなくブレイブサンダースがごひいきという選手も。その旨を篠山選手に伝えたところ、大変うれしそうでした。
先日の渋谷戦ではウインターカップに出場する厚木東高校の壮行試合が行われました。来年にでも、桐光学園と法政二のウインターカップ代表校決定戦が、ブレイブサンダースのエキシビジョンマッチで開催されたら最高だなと思いました。
その4:保育園
秋口に、息子の通う保育園で運動会がありました。服装に特に指定がなかったので息子はフロンターレのユニフォーム、母はブレイブサンダースの1000円Tシャツ(すいません…)を着て意気揚々と参戦。
証拠写真。
「今日勝てるといいですね」とか「うちも時々試合を見に行くんです」とあちこちで会話が弾んだのですが、どれもこれもフロンターレに関するもので、母のTシャツに言及してくれる人は誰もおりませんでした。悲しかった…。
保育園では子育てに関する様々なチラシが配布されます。「ご自由にお取りください」的なものもあれば、園からのおしらせと同様に確実に各家庭に届くものもあるのですが、以前DeNAベイスターズが「子供を格安で試合に連れてこられますよ」的なチラシを各家庭に配布して「うまいな~」と感心したものです。
あのときはまさかブレイブサンダースがDeNAに渡るとは思ってもおりませんでしたが、ノウハウを持っていることですし、子育て世代からのファン拡大も楽しみにしています。
ラスト:選手、そしてクラブ
先月まで「スタンダード神奈川」および「スタンダードNEXT」という地元紙の制作に携わっていたこともあり(残念ながら昨月で休刊となりました)、取材の際には神奈川、ないし川崎にからむ話題も多媒体に比べて多かったと思います。
私がこの雑誌の仕事でインタビューできたのは残念ながら3選手にとどまりましたが、篠山選手とは取材でも雑談でも川崎の話がたくさんできました。お気に入りの川崎スポット(野毛の話も多々ありましたが)、チラシ配りのアイディア、地元の高校生との関わり…。何気ない会話の端々に、川崎に根付こうとしているチームへの気持ちがあふれていました。
スタッフの皆さんのアイディアにもいつもわくわくさせられています。トイレの張り紙に始まり(始まりでいいのかは不明)、選挙PR、ハロウィンイベント(息子と家族を参加させました)、コスギんピックを含む地域イベントへの参加。街中でポスターを見かけるたびに、息子は「ちゃんちゃー!」とうれしそうに叫びます。
母(筆者)の書いた篠山選手のページを見て「ご!ご!ちゃんちゃー!」と絶叫する息子。
企業を母体とする実業団チームから地元密着のプロチームへ。Bリーグの開幕からブレイブサンダースは非常に大きな変革のときを過ごしてきましたが、運営会社の変更を受け、今まで以上の変化にさらされるのかもしれません。
メディアに携わる人間としてはさておき、一市民として願うのはママ友や、美容師さんや、高校生や、保育園の園児や親御さんや先生たちと、何気なくブレイブサンダースの話ができるようになること。これからも長い時間をかけて、市民としてチームの変化を見つめ続けたいと思います。
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★明日は@yoshi141さん担当のチア談義とのこと。常に笑顔の女神たちにはいつも頭が下がりっぱなしです!★
0911
一つ年をとりました。
去年気付くべきですが、大学を卒業してもう10年経ってしまいました(たぶん去年はそれどころではなかったのでしょう)。
学生時代、私は30代の「大人」をどんな目で見ていたんだろう。
全然追いついている自信がないけど、もう30代も3年目突入。ぼんやり過ごすのではなく、あの頃の理想に追いつく努力をしなければならないなと強く感じます。
一般企業に勤める同世代の人の中には、すでに昇進してたくさんの部下を持ったり、大きなプロジェクトを任されて成功している人も少なくありません。先日、そんな1人にインタビューする機会があったんですが、思いは持っているだけでなく伝えていかなければ意味がないということを再認識させられました。
じゃあ今の自分がどんな思いを持っているのか。何をやりたいのか。
はたと考え込んだんですが、何にも出てこないのです。
これまではやりたいことがたくさんあって、それを大いに人に言って、そのいくつかを形にしました。だけど出産して仕事復帰して1年とちょっと、もみくちゃになって納期(しばし遅れる。すいません)と日々の生活と格闘していたら、気付いたら自分がどこを走ってきたのか、今どこにいるのか、そしてどこに行きたいのかがよくわからなくなってしまいました。なんとも心もとない感覚です。
そんな中ではありますが、今この文章を書きながら自分の考えを整理してみると、読み手や取材対象者がずっと胸に抱いていたくなるような、宝物になるようなものを作っていきたいという気持ちは変わらないなということに気づきました。
その思いを灯にして、しばらくは迷ってみようと思います。
自分と、そしていつまでもいつまでも大切な人の誕生日です。
「きみが星こそ悲しけれ きみが星こそ悲しけれ」。
「ひよっこ」でおなじみの宗男おじさん、こんなにかっこいいロックミュージシャンなんです。大好きなアーティストがこんな素敵な曲で自分の誕生日を歌ってくれるなんて感無量です。
神奈川インターハイ予選(男子)つれづれ
先週末は神奈川のインターハイ予選に行っていました。
ここでは一観戦者としての振り返りを。
(今季はまだ女子をあまり追えていないので男子の話題のみです)
桐光学園は3年連続、アレセイア湘南は3年ぶりのインターハイです。
桐光学園は2月の新人戦でベスト8敗退、4月の春季大会も5位。
どちらの大会も見ていましたが、どちらも3年生たちが精細を欠いていました。
昨年の3年生もすごかったけれど、彼らだって県内ではピカイチの選手たちです。
でも、なかなか勝てない。
悩んで、苦しんで、そこから這い上がっての決勝リーグ全勝。
非常に尊い、得がたい経験になったのではないでしょうか。
今年のアレセイア湘南は、なんとなく例年と雰囲気が違って見えていました。
最終日の桐光学園戦も最後まで粘り、コート上でコミュニケーションをかわし、
泥臭くアタックする姿勢がとても好ましかったです。
初めてのインターハイ、ぜひ楽しんでもらいたいものです。
ちなみに私は今季、厚木東によく足を運んでいました。
雑誌「スタンダードNEXT」では佐野龍之介選手と東野恒紀選手の
ドラマティックなエピソードを紹介しました。
(写真も含め、最近では会心のページです。原稿がどうというより2人が素晴らしすぎた)
新チーム始動から県内では一度も負けていないチームが、
大一番の決勝リーグで一挙に3連敗。
選手たちの心情はいかんばかりだったことか。
インターハイ出場ががなくなったアレセイア湘南戦後はもちろんのこと、
4位になった法政二戦後にも大粒の涙をこぼしている選手たちの姿を、
なかなか真っすぐ見つめることができませんでした。
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戦いが終わった平塚周辺の空は、とても美しい夕焼けに染まっていました。
勝者と敗者は、それぞれこの空の色に何を感じたのか。
そんなことが今でも気になっています。
Reライフマガジン ゆとりら
3/13に発売された雑誌「Reライフマガジン ゆとりら 」(朝日新聞出版)で、お仕事をいただいております。
60代女性向けの雑誌です。お近くにご興味ありそうな方がいらっしゃったら、ぜひオススメください!
(画像は編集さんよりいただきました。風吹ジュンさん、ステキ!!)
今回は巻頭特集の「まっすぐな背すじ」で、アナウンサーの宮本隆治さんと、剣道家の野本京子さんのインタビューと執筆を担当しました。
自分の倍以上も生きていらっしゃる上に、専門外の分野の超プロフェッショナルに相対するということで大変身構えましたが、肩ひじ張ったところで絶対にバレるだろうと開き直って、なんとかやってまいりました。
年輪を重ねた人のお2方のお話は本当に面白かったですし、人生まだまだ長いし何でもできるなと元気をいただきました。
依頼を受けたのは、バスケがご縁でけっこう長年お付き合いをさせていただいている方。「井上雄彦さんを取材した時のブログが面白かったから」ということでお声掛けいただいたので、開設してよかったなーと心から思いました。
また、この仕事をしていて目標としていたことの1つに「バスケの仕事をきっかけに、別ジャンルの依頼をもらう」ということがあったので、よりいっそう嬉しかったです。何というんでしょう、"大手の仕事もできる人間としてバスケットに携わっている"という証を立てたいと言いますか。
バスケ(スポーツ)以外のところでも通用する仕事人になることが、ひいてはバスケの仕事を豊かにすると信じて、今後も幅広くお仕事を楽しみ、精進いたします。
機会をくださったIさん、本当にありがとうございました!
大学バスケへ進む君へ
今年度、大学バスケ界ではセンセーショナルな出来事があった。残念ながら、あまりいいものではなかったけれど。
近いところにいる指導者や選手の情報を断片的に聞いて(一時期はどこに行っても、こちらが振らずともこの話題になった)、一度だけ練習を遠目に見る機会があっただけ。当事者たちのことは、直接的には何も知らない。
何が真実なのか知らない立場ではあるけど、この一件に際して、これから大学に進む高校生に伝えたいと思っていたことがある。
(※以下はバスケットに限った話じゃないかもしれないけど、私はバスケットまわりのことしか見聞きしていないから、"バスケットのこと"としてとらえてもらえると幸いです)
未成年と成年が混在し、成人後も"学生"というモラトリアムを生きる4年間は、自分たちがしっかりとアイデンティティを持つことが大切なんだと思う。
大人歴の長い人たちは、学生たちに"大人"を求めつつも、結局はどこかで"子ども"だと高をくくっている。そして、彼らの都合で両者を使い分ける。
「大人なんだから、もう自分たちで考えろ」
「お前たちには任せられない、俺がやる」
みたいな感じで、認識をコロコロと変えるのだ。
彼らの基準でいちいち自分たちの立ち位置を変えると、自分が何者なのか、どこをどう歩いていたかがわからなくなってしまう。
あくまでも推測だけど、今回のことも、こういうことが要因の1つだったんじゃなかろうか。
多くの指揮官は"先生"ではなくなる。学生生活での密接な関わりはなくなり、干渉もグンと減る。
「解放されてせいせいする」と思う人もいるかもしれないけど、裏を返せば今までの細やかなケアが一気になくなるということ(強豪校で育ってきた高校生は特に)。自転車の練習じゃないけれど、いきなりパッと手を離されてバランスと舵を失い、フラフラ予期せぬ方向に進んでしまった選手を何人も見てきた。
もちろん最初からうまくいくものではない。だけど、大人になろうと頑張ってみてほしいし、不完全でも大人であるというアイデンティティを掲げてほしい。自分たちで考えて、行動する。大人に自らをゆだねない。依存しない。きっとそれがみんなを助けてくれる。
SNSを見るに、今週は卒業式のピークだったようだ。
大学でもバスケを頑張りたいと思っているすべての君へ。卒業、おめでとう。
"本当はわかってる 二度と戻れない美しい日にいると そして心は静かに離れてゆくと"
みんなは本当に、美しい日々を過ごしているのだよ。あと10年もするとわかるよ。
"泣きたい気持ちはこの手にしまって 誰かのためじゃない 僕は行くから"
そう、自分自身のために、駆け出してください!
ひとり上手
大学生から20代前半にかけて、月1頻度で大切な行事があった。長距離列車に乗って知らない土地に行き、2、3泊くらいかけてふらふらと歩くことだ。
1人で歩く。1人で眺める。とにかく1人きりで何かを見たり、聴いたり、食べたり、触ったりして、その中で時々ひっかかるものについてゆっくりと考える小さな旅。こういう時間を過ごすと、凝り固まっていたものがほぐれるというか、問題は何も解決していないけれどそれに立ち向かう気力が充電された気がした。本当に大切な時間だった。今でも1人でいる時間は苦でないし、旅先や移動中の車内で同行者にしゃべりかけられることは、一貫してあまり好きではない。
たぶん、物書きの種の見つけ方も同じだ。ふとしたしぐさ、言葉、表情、ひっかかったところからすべてが始まる。ついでにいうと、特に練習見学が大切なきっかけなんだろうな、ということがわかるようになった。練習を見ることが好きだ。たぶん、誰も相手をしてくれなくても一日中平気で見続けられる。
傍観と観察。昔はほぼ妄想みたいなものだったけど、さまざまな人との出会いのおかげで、洞察力につながってきているような実感もある。
敬愛するスポーツライティングの大先輩が、こんなことを言っていたそうだ。
"凝視した時だけいい質問が出てくる"
弛緩からの緊張。俯瞰からの凝視。集中力。描写力。現実世界を見る目はよくないけど(こないだ眼鏡を作り替えたら度が4段階上がっていて、ビン底眼鏡が手渡された)、違うものを見る目の視力はうまいこと向上させたい。そのためにも、今日も今日とて1人でぼんやり考える。
(大学生のころ、友人宅の熱帯魚を数時間眺めつづけていたことがあった。あれはたぶん病気だったのだろう)
【今回の1曲(2曲)】
若者はオザケンを知らないそうだ!なんということだ!!
やたらと電車からの風景とマッチすることと岸田さんが電車好きなことは密接に関連していると思われる