セッションの愉悦(FUTURE BOUND CLASSIC 2017)
日曜日は「FUTURE BOUND CLASSIC 2017」を見に行きました。
平たく言えば、神奈川、大阪、埼玉の高校オールスターが5対5の総当たりで戦うエキシビジョンマッチです。
この取材をしたとき、安達くんから「今年、俺らが出るんです」と教えてもらったので、3年間取材でお世話になった神奈川の高校3年生を見られる最後のチャンスだと、随分前から予定を空けておきました。会場は家から自転車で行ける距離だし、さらに都合がいい。ところがどっこい、持っていない女・青木は2試合しか見られませんでした。道に迷ったからです。
私の迷い方(1cm=200m縮尺)。たぶん2時間くらい迷っていた。
女子のエキシビジョン(東京の高3女子×一般のストリートボールチーム)と最終試合の神奈川×大阪はまるまる見られましたが、みんなとっても楽しそうでした。神奈川は埼玉、大阪に勝って優勝。おめでとう!
メンバーは田代幹(桐光学園)が選抜したとのこと。安達虎太郎(アレセイア湘南)、和田麗空、寒川光太、小澤雅也(以上東海大相模)、戸井堅士朗(法政二)、奥山喜理人(厚木東)、古賀森人(横浜、以上敬称略)。"マスコット"と紹介されていた左端の彼の素性は聞き忘れました。
大学生がストリートボーラーと対戦する「somecity NIGHT COLLEGE」しかり、今回のイベントしかり、競技バスケにどっぷり漬かっている選手がストリートボールに出会う瞬間は、いつ見ても楽しいものです。規律やルールに則った競技バスケに慣れている彼らが、勝手がわからずまごまごしていたところから次第に自由にプレーできるようになっていく。その過程に、いつもわくわくします。
例えば今回MVPを獲った安達くんや和田くん。
競技バスケでの全国的な評価や実力は現段階では高くありませんが、ストリートボーラーとしては全国レベルで猛烈に光っています(やるな、神奈川)。MVP次点としてこっそり副賞をもらっていた田代くんも、自チームではなかなか発揮できない1対1をガンガン仕掛けられて、ものすごく楽しそうでした。
somecityのオーガナイザーをつとめるTANAさんは、よく「ストリートは遊び」と言います。私は、学生時代にかじっていたジャズピアノを思い出し、「ストリートはセッションだな」と感じました。コード進行やアドリブを回す小節数、決めるタイミングなど最小限の決まりごとを作ったら、あとはその場にいる仲間同士で自由にやる。言葉を使わず、音とリズムだけでじゃれあったり、戦ったり、1つになったりする。うまくハマったときの気持ちよさは、楽器を離れた今でも忘れられません。
大好きなジャズピアニスト、上原ひろみさんのセッションをば。
NBAの選手たちも、オフには度々、幼少期を過ごしたストリートコートで汗を流すと聞きます。学生さんたちは日々の練習で忙しいとは思いますが、時にはチームウエアを脱いで、自分の中に眠っているひらめきや創造性、本能を思い出しにコートに出かけてみてほしいなと感じました。