ブルーノオト

国内バスケットボールをメインフィールドに活動中。フリーのライター/編集者、青木美帆のブログです。

横浜ビー・コルセアーズ 満田丈太郎選手の成長

先週のB1残留プレーオフ2回戦で、横浜ビー・コルセアーズがB1残留を決めました。

 

バスケットのクオリティに関しては「うーん」と思うようなところもありましたが("残留"プレーオフなんだから当然っちゃあ当然)、試合自体は最後までシーソーゲームで、詰めかけたファンの歓声も濃密なもので、すごくエキサイティングなものでした。

 

試合後の囲み取材で、満田丈太郎選手を取材しました。バスケットボールスピリッツ(@bbspirits)の三上太さん、バスケット・カウント(@basket_count)の丸山素行さんという、目が肥えたライターさんらと共に、15分程度の時間の中で試合のこと、1年こと、来季の課題などたくさんお話を聞くことができました。

 

三上さんと丸山さんは、取材の内容を以下の記事としてまとめられています。

 

www.bbspirits.com

 

basket-count.com

 

三上さんは2Qに決めた豪快なブロックをフックに、今季の振り返りや人柄など、コメントも盛りだくさんの内容。丸山さんは富山グラウジーズのキーマン・宇都直輝選手へのディフェンス戦略と今季の振り返りをコンパクトにまとめています。

 

ディフェンスマンとしての開花を予感させた3試合

私はこの試合に際した記事を書く予定がないのですが、自分だったら「ディフェンスの進化」というテーマで彼について書くだろうなと思いました。

 

というのも、学生時代の満田選手は、高い運動能力を生かして走ったり跳んだりするプレーを武器とする、オフェンシブな印象の強い選手でした。ところが今回の残留プレーオフで久々にプレーを見ると、西宮ストークス戦では岡田優選手、富山戦では宇都選手と両チームの日本人エースとマッチアップし、アグレッシブに守る様子が非常に目についたのです。

 

もちろん、2人にはそれ相応にやられました。富山戦の自身のディフェンス評価は両記事が取り上げているように「20点」。それでも宇都選手、ひいては富山のオフェンスリズムを狂わせたのは間違いなく満田選手でしたし、コーチ陣からのディフェンスマンとしての期待を感じました。同ポジションの竹田謙選手、高島一貴選手という、いずれも老獪なディフェンス技術を持つベテランから得るものも非常に多いのだと思います。

 

第一印象は「変な人」。実はそうでもなかった

私は満田選手を、非常にマイペースでゴーイングマイウェイな人だと思っていました。

 

初めてインタビューしたのは彼が大学1年生のときでした。突然、バイク川崎バイクのネタを口ずさみ始めた衝撃は、忘れようにも忘れようがありません(笑)。

 

※以下がそのときの記事です。若いですね~。

cs-park.jp

 

 

撮影場所にボサボサの頭で現れて「このままでいいです」とのたまったり、伸ばし途中のヒゲを「なんとなく」剃ってみたり、おそるおそる聞いた「ご両親は日本人ですか?」との問いに「イラン人のハーフです」と即答したり(※お2人とも日本人だそうです)、ひたすら変な人という印象でしたが、意外と打算的というかしたたさを持っていますし、言葉も巧みですし、取材を重ねるたびに「ただの変な人ではないな」と思うようになりました。

 

プレーオフ1回戦で取材した際には、メンタルの弱さについても話してくれました。今季、尻上がりに調子を上げていった背景には、そんな自分とうまく付き合える方法を見つけたことも大きかったそうです(詳細はいつか、どこかの媒体記事で)。

 

「守」のシーズンを越え、新たなステージへ

日本古来のお稽古は「守破離(しゅはり)」という3つの段階を踏んで上達すると言われています。師の教えに忠実に従う→別の人から教えを乞う→独自のやり方を確立させるというステップですが、富山戦後の満田選手の言葉から、今年は「守」の1年だったということがよくうかがえました。

 

さて、来季の満田選手は「破」まで進むことができるのでしょうか。シーズンインが今から待ち遠しいです。