ブルーノオト

国内バスケットボールをメインフィールドに活動中。フリーのライター/編集者、青木美帆のブログです。

戦友(Standard神奈川vol.14)

告知が遅くてもはや告知の意味をなしていませんが、「Standard神奈川」の最新号、発売中です。(目次はこちら、購入はこちら

 

この号ではバスケ特集の第1部の男子インタビュー、第2部の桐光学園、選手権特集の星槎国際湘南(女子サッカー)、ダンス特集の金沢総合の記事を担当しました。今号も楽しい取材ばかりでした。

 

毎年の恒例となっているバスケ特集ですが、今年はちょっと変化球企画をば。新人戦に挑む1,2年生への3年生からのメッセージをプロローグとして構成しました。男女それぞれで掲載していますが、男子はさらに変化球。法政二の美濃口くん(この記事に出てくる「泣きべその彼」が美濃口くんです。うちの息子を最もよく見ているレアな高校生でもあります)、アレセイア湘南の安達くん、東海大相模の寒川くんの、幼なじみ3人組のストーリーとしました。

インターハイ予選の最終日、法政二鈴木先生から「3人が新横浜のストリートコートでよくプレーしている」という話を聞き、ふくらませたら楽しそうだなと思っていた企画のタネ。バスケ号は新人戦特集だし3年生モノは無理だろうな思いつつ、企画会議でおそるおそる編集長に話すと「面白いじゃん」ということになり、掲載が実現しました。

中学時代は市の2,3回戦で負けて、県選抜なぞ箸にも棒にも引っかからなかった3人。そのうち2人が県を制して全国大会に行き、3人全員が県4強の主力となれた原動力は何だったのか。悩み多き下級生たちへのエールの意味も込めて、ざっくばらんに話してもらいました。スタンダードでは珍しく4ページ構成でしたが、それでも全然収まりきらないくらい、たくさん話してもらいました。(安達くんがシンヨコに国体のウエアを着てきて全員ドン引きしたとか、いろいろこぼれ話もあったのですよ)

 

男の子というのは基本、あまり細かい連絡を取り合わない生き物のようです。彼らも試合会場で言葉を交わす以外、ごはんに行ったりラインなどで近況を報告し合うことはほとんどなかったそう。今回、取材という改まった場所で、それぞれが辛いこと、悔しいことを経験してきたことを初めて知って、驚いていました。お互い何も言わないし知ろうともしない。ただプレーを見て、「負けてられねえ」と奮戦してきたことで大きく成長できるんだから、見栄って大事なんだなあ、つっぱることが男のたった一つの勲章なのだなあ(嶋大輔)とつくづく思いました。

 

このページは写真、デザイン、記事、全部含めた「雑誌」としての良さを出せた、自分にとってもとても大切な企画となりました。変則的な取材を快諾していただいた各チームの顧問の先生方、二度も集まってくれた3人に、改めてお礼を申し上げます。

 

新人戦特集の今号でしたが、新人戦も本日無事閉幕しました。厚木東と元石川がまずは頂点に立ち、新たなシーズンがまた始まります!!